まずは、S&P500指数の株式益回り（PERの逆数）を計算するためにS&P500指数構成銘柄の株価収益率（PER）を確認。ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）のウェブサイトによると、過去12カ月間の実績に基づく株価収益率（実績PER）は24.4、今後12カ月の予想利益に基づく株価収益率（予想PER）は18.09となっていることがわかる。
ここから株式益回りを求めると、9月29日現在の実績益回りは4.1%、予想益回りは5.53%という計算になる。
次に米国債ETFの利回りを調べる。バンガードの短期・中期・長期・超長期の米国債ETFについて、9月29日現在の利回りを確認した。
- バンガード・米国短期国債ETF (VGSH): 2.05%
- バンガード・米国中期国債ETF (VGIT): 2.27%
- バンガード・米国長期国債ETF (VGLT): 2.83%
- バンガード・超長期米国債ETF (EDV): 3.1%
最後に、株式と債券の利回り差（イールドスプレッド）をまとめる。株式益回りとして実績ベースの値（4.1%）を使って計算すると、9月29日現在のイールドスプレッドは以下の表のとおり。
| ティッカー コード |
米国債 ETF 利回り (%) |
S&P500 益回り (%) |
イールド スプレッド (%) |
|---|---|---|---|
| VGSH | 2.05 | 4.1 | 2.05 |
| VGIT | 2.27 | 4.1 | 1.83 |
| VGLT | 2.83 | 4.1 | 1.27 |
| EDV | 3.1 | 4.1 | 1.0 |
また、向こう1年の予想益回り（5.53%）をもとにイールドスプレッドを計算すると以下の結果が得られる。
| ティッカー コード |
米国債 ETF 利回り (%) |
S&P500 益回り (%) |
イールド スプレッド (%) |
|---|---|---|---|
| VGSH | 2.05 | 5.53 | 3.48 |
| VGIT | 2.27 | 5.53 | 3.26 |
| VGLT | 2.83 | 5.53 | 2.7 |
| EDV | 3.1 | 5.53 | 2.43 |
イールドカーブ（利回り曲線）のフラット化や逆イールド化などの議論では、長期国債と短期国債の利回り格差がよく話題に出てくる。確かに過去を振り返ると、国債の長短金利差が重要なシグナルとして注目を集めることは理解できる。
ただし、株式や債券への投資を検討する際には、株式益回りと債券利回りのイールドスプレッドも常に頭の片隅に置いておきたい。また、現在のイールドスプレッドが株式への投資リスクを正当化できる水準かどうかチェックすることも意識したい。
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